初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。




「楽しかった…!」




結局、ドキドキしたけれど、星の説明が思ったよりも面白くて聞き入ってしまった。


プラネタリウムの近くにあるカフェにお昼ご飯を食べに入って、2人で話す。





「良かった」



「あの、ギリシャ神話の話とか面白かった!」



「ああ、さそり座とオリオンの話?」



「そう、それ!」




楽しくてつい、たくさん喋ってしまう。

ひとりで喋ってしまったことにハッとして口を閉じたけれど、南雲くんは全然嫌そうじゃなくて。





「ごめんなさい、1人で喋って…」





って言ったら、




「だから、何で謝るの?

楽しんでくれて嬉しいけど」





なんて、いつも通りの、なんてことないような顔で。


すごく格好いいことを言ってくれちゃうから。


赤くなった頬がバレないように、思わず下を向いた。





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