初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。





ーーーーー





「先輩!」




南雲くんがトイレに行くと言っていたので、カフェの外で待っていると、聞こえた声。



何気なく振り返ると、天体観測会で少しだけ話した、天文部の後輩くんがいた。




「あ…」



「あ、三崎っていいます。

南雲先輩の彼女さんですよね?」



「北山、夕陽です」





デートですか!?とキラキラした目で聞かれて、曖昧に頷く。


デートって、言っていいのかな?

デートだったら、嬉しいけど。




「俺もプラネタリウムに来たんすけど、実はさっきも2人のこと見かけてたんですよ!」


「えっ、そうなの?」



「はいー!

南雲先輩のあんな優しい顔初めて見たんで、邪魔しちゃ悪いかなぁと話しかけられなかったんですけど…」




三崎くんの言葉に、ドキンと心臓が跳ねる。

…初めて見る、優しい顔。



期待したら辛いだけなのに、期待してしまう自分がいた。





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