初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「手は?繋いだ?」
「繋いでない…」
「えっ、手すら繋がなかったの!?」
付き合ってもうすぐ1ヶ月。
乃愛ちゃんに言わせれば、手も繋いでいないのはおかしいらしい。
「手、なんて繋げない…」
「中学生か」
「だって!
……南雲くん、別に私のこと好きじゃないと思うし」
自分の言葉に落ち込んで、俯く。
そうかなぁ、と首をひねる乃愛ちゃんに、へらりと笑った。
冬花さんって、誰なのか。
南雲くんはどうして、私を選んでくれたのか。
わからない。わからないのに。
私の中では、冬花さんは前の彼女で。
南雲くんは、冬花さんのことがまだ好きで。
私を選んだのは、たまたま隣にいたから。
勝手にそんな答えを出してしまっている。