初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「ほら、次バレーみたいだよ」
乃愛ちゃんにそう言われて、慌ててバレーコートに向かう。
南雲くんのおかげで空振りすることは少なくなったけど、まっすぐボールを打ち返すことはできない。
やりたくないなぁ、バレー…
「よし、頑張ろう!」
「おーっ!」
みんな気合が入ってるみたいで、怖い。
どうしよう、私のせいで負けたら…。
「夕陽、ほら気楽にやれば大丈夫だよ!」
「あ、ありがとう…!」
気楽に…
気楽に…
そう言い聞かせてはいても。