初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。




「がんばれー!」




ドッチボールを応援するみんな。

だけど私はやっぱり申し訳なくて、俯いてしまう。




「ちょっと、トイレ行ってくるね」




友達にひとことそう言って、校舎に戻った。


「はぁ…」



やっぱり、運動は苦手だ。

私だって、球技大会で活躍できる人になりたかったなぁ。


…ううん、そこまでは望まないから、せめて迷惑をかけないように、人並みに運動できるようになりたい。





なんて思いながら、ふらりと教室に入ると。




「あ…」

「南雲くん…」





ジャージに着替えようとしている南雲くんに、慌てて目をそらす。



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