初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「あー、ごめん。
もう着替え終わるから…」
一瞬だけ見えてしまった、想像よりずっとがっしりした南雲くんの胸板に、顔が熱くなる。
「終わったよ」
その声にゆっくり振り返る。
「お疲れ、バレー」
「…ごめんなさい」
私のせいで負けちゃって、と続けると、
「相手のクラス、バレー部3人いるらしいし仕方ないでしょ」
北山さんのせいじゃないよ、なんて優しい言葉をかけてくれる。
ちょこんと南雲くんの後ろの席に座ると、南雲くんも腰を下ろした。
しばらくの沈黙。
そして。
「いやー、さっきの女子バレー見た?」
廊下から聞こえてくる、隣のクラスの男の子の声でハッとした。