初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「うちのクラス圧勝だったよな〜!
あの、相手チームの小さくて可愛い感じの子がことごとく失敗してくれてさ」
ドクン、と脈打つ心臓。
話している2人は私たちには気付いていないみたいだ。
「あー、何だっけ、南雲絢星の彼女だっけ?」
「マジ?
南雲の彼女とかもっと美人な大人だと思ってたわ」
「わかる、にしてもあそこまで下手だと可哀想になるよな」
そんな笑い声に、ズキンと胸が痛む。
やっぱりみんな、そう思うよね…
やっぱりクラスのみんなに迷惑をかけてた。
南雲くんの彼女には見えない。
全てが今の私には耐えられなくて、自分でも気付かないうちに頬を涙が伝った。
「……」
と、前に座っていたはずの南雲くんがガタンと席を立って、廊下に出て。