初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「え…」
「邪魔だから、預かって」
それだけ言って、コートに戻ってしまう。
なんだか急にやる気になったらしい南雲くんに。
他にも人はたくさんいるのに、私に預けてくれたことに。
手元にある、南雲くんがいつも付けてるメガネに。
胸がきゅん、と音を立てた。
試合が始まり、走り出すみんな。
サボる、なんて言っていたとは思えないほど上手にボールを扱う南雲くんは、クラスメイトですら驚くほどサッカーがうまくて。
「南雲って運動までできるのかよ…」
「きゃー、南雲くん格好いい!
ギャップ萌え!」
試合を見ていた人たちが、次々と歓声をあげる。