初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
南雲くんの格好よさに虜になったらしいクラスの女子たちは、きゃー、と叫びながら彼に駆け寄っていく。
「お疲れ!」
「カッコよかったー!」
そんな彼女たちを華麗にスルーした南雲くんは、男の子2人の前に立って。
「…っ、悪かったよ」
南雲くんの鋭い視線に耐えられなかったのか、片方の男の子が小さく呟いた声が聞こえた。
「…俺じゃなくて、彼女に謝れ」
冷たい声でそう言い放った南雲くんに、ドキドキしてしまう。