初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
07.ドキドキ、耐えられない
「夕陽〜!」
学校に来ると、可愛い袋を持って駆け寄ってくる乃愛ちゃん。
「お誕生日おめでとう!」
そう言って渡されたのは、綺麗にラッピングされたプレゼント。
「わっ、覚えててくれたの?」
「当たり前じゃない!」
ふふん、と笑う乃愛ちゃんにお礼を言って、早速袋を開けてみる。
袋の中身は、可愛くてキラキラしたコスメだった。
マスカラにピンクのグロス、そしてチークも。
「か、かわいい…!」
「でしょー?
デートの時にでもメイクして行って、南雲くんをドキドキさせるの!」
ドキドキは……してくれないと思うけど……。
「メイクしたことない…」
「私がしてあげるって」
そうして、半ば強引に教室のイスに座らされた私は、乃愛ちゃんにメイクをしてもらった。