初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
07.ドキドキ、耐えられない




「夕陽〜!」




学校に来ると、可愛い袋を持って駆け寄ってくる乃愛ちゃん。



「お誕生日おめでとう!」





そう言って渡されたのは、綺麗にラッピングされたプレゼント。




「わっ、覚えててくれたの?」


「当たり前じゃない!」




ふふん、と笑う乃愛ちゃんにお礼を言って、早速袋を開けてみる。

袋の中身は、可愛くてキラキラしたコスメだった。


マスカラにピンクのグロス、そしてチークも。



「か、かわいい…!」


「でしょー?

デートの時にでもメイクして行って、南雲くんをドキドキさせるの!」




ドキドキは……してくれないと思うけど……。



「メイクしたことない…」

「私がしてあげるって」



そうして、半ば強引に教室のイスに座らされた私は、乃愛ちゃんにメイクをしてもらった。




< 95 / 247 >

この作品をシェア

pagetop