初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「ほら、可愛い!
コテも持って来れば髪巻けたのになぁ」
失敗したー、なんて言う乃愛ちゃんは、いつも髪もメイクもばっちりだ。
「今日はデートするんでしょ?」
「え……」
当然のように言われた言葉に、首をひねる。
「え、しないの…?」
「うん…?」
「誕生日なのに!?
あ、後日するの?」
そんなに驚くことかなぁ…?
「たぶん南雲くん、私の誕生日知らないと思うよ」
みるみる乃愛ちゃんの眉間にシワが寄っていく。
こ、怖いよ乃愛ちゃん…!