labyrinth
プロローグ
何回始まって
何回終わっても
決まって思い出す。
「ただの仲良しでよかったのに
よくなかった。
その先を望んだ。」
「少しだけ低くなった声に
高くなった身長に
不器用な優しさに
変わらない笑顔に
口調に、口癖に
まだ愛おしさを感じてしまう。
そんな自分が嫌い。
…大嫌い。」
「忘れられないと気付いたわたしは
正反対を探したのかもしれない。」
一度足踏み入れたあの日から
進めば進むほど迷って
足を止めれば置いて行かれる
ただがむしゃらに
前を見据えるしかなかった。
まるで"迷路"のようなこの道を
突き進むことしかできなかった
『labyrinth』