labyrinth
図工室に向かう途中
隣に居る友達の話を
綺麗に流していたあたしは
あの1円玉、いつ気付くかなあ
下手したらずっと気付かないかもなー
なんてことを考えていたから
後ろから走ってくる足音を
耳にもとめてなくて。
次の瞬間。
[いっ…!?]
痛いと最後まで言い切れないほど
突然すぎた状況に混乱する。
おそらく、あたしがそれを取るところを
終始見てたのか
あとから気付いたのか
晴哉が体当たりか飛び蹴りか
なんかをしたんだと思う。
首の骨が嫌な音をたてた。