labyrinth
「死ね!」
そんな思いに浸っていると
聞きなれた言葉がとびこんで
思考を遮る。
ふ。
今、目、合ったもんなあ。
晴哉はあたしと目が合うと
最近はそれしか言わない。
いつものように、少しだけ視線を送り
聞こえないふりをして歩みを進める。
「はははっ
いい加減なんか言えよ!」
後ろから聞こえるハスキーボイス。
完全に緩みきった頬を
隠すように手で隠して下を向く。
何も変わらない、いつも通りの朝。