labyrinth
「それよりさ、俺いい情報もってるよ」
「いい情報?なに?それ」
賢はニヤニヤしながら国語のノートの端を
少しやぶくと何かを書き始めた。
「…晴哉の好きな人?」
あたしはその切れ端に書かれた文字に
驚きを隠せない。
『確実?』
あたしはそう紙に書いて渡す。
『確実!本人に聞いた!』
ここでまさかの本人情報。
今まで誰が言い出したのかもわからない
噂を信じてきたあたしにとっては
待ちわびていたこと。