バカと利口は紙一重~実話込み~
 朝っぱらから早乙女愛と久島梨花などなどが酔っぱらってるにはワケがある。

 宣言通り、優が見舞いに行った次の日の朝、学校に来たからだ。


 「優くん元気になったんだね!!」

 「お見舞い来てくれたからだよ。ありがとう」


 とか殺傷力抜群の爽やかスマイルで言っちゃってくれちゃうからね。


 そりゃあもうベロンベロンですよ。


 あいつらも熱に浮かされて学校休めばいいのにねぇ。

 とか思うオレは腹黒い?

 だけどなー大変なのはココからなんだよ。

 オレはいろいろ考えながら、しばらく様子を見ることにした。



 いい感じだね~、お昼は仲良くみんなで食べてるし。



 優は生徒会や部活で廣子と一緒に下校する姿を見てもない。

 だから変なウワサも立ってない。

 このまま夏休みまでGO!! だな。




 トイレに行こうとオレが廊下に出たら、女子の会話が聞こえてきた。


 「優様、最近一段とお優しくなられたと思わない?」


 イイ調子。

 特に女ってのは、周りからどう見られてるのかを気にする動物だ。

 他の女の中で優の評価が上がるってことは、廣子の中での好感度もアップ。


 「昨日の授業で、わたくし国語辞典を忘れてしまったの。そうしたら優様が電子辞書を貸してくださって……」

 「優くんはどうしたの?」

 「ご自分は図書室からアナログな紙の辞書を借りていらっしゃったのよ!!」

 「ほんと~ぉ!」

 「羨まし~っ」




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