真琴と『ぼく』の恋愛日記


『森田さん!大丈夫だった?』



さっきとは違うキラキラした笑顔。


あんな風に因縁付けられるのは慣れてるけど、ある意味香川君のが怖いよ。



『だ、大丈夫よ!あんなの慣れてるし。てか、何か用?』



『うん!昨日ぼく森田さんに男らしくなれって言われたから…なんか…わかんないけど……が、頑張ろうと思って……。』



まただんだん声小さくなってるし。こういうトコはいつもと一緒だ。



『具体的には?なんか、目標でも見つけたの?』



『いや…特になにも……。で、でも!まずは、しゃべり方とかから変えてみようかな…とか、思ったり……。』



『ふーん、そっか。でも、私は全然そのままでいいと思うけど。ちょっとウジウジしてるけどね。』



『えっ!?でも……。』



二重人格かもしんないけど、ちゃんと男らしいとこ持ってそうだし。


いざって時は、その力を発揮しそうじゃん。



『外見や話し方だけ男らしくても、中身がからっぽじゃ意味ないと思うし。香川くんの場合、外見は女の子みたいだけど、しっかりと中身は詰まってそうだから、いいんじゃん?そのままで。』



私がそう言うと、またみるみるうちに顔を赤くして、逃げるように教室へ戻っていった。



はぁ…?人がせっかくいい事言ったのに、なにも言わず行っちゃうなんて、礼儀知らずなやつ。


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