真琴と『ぼく』の恋愛日記
あれから1週間経って、クラスでは女子特有の、仲良しグループ化現象が起こり始めていた。
まぁ、もうすぐ校外学習って名の遠足があるから、みんな1人になりたくなくて必死なんだね。
ん???
窓際の1番後ろの席に座ってる子。そう言えばいつも1人で本を読んでる。
たしか…大嶋さん…だっけ。
友達、いないのかなぁ?
そんな事を思いながらボーッと眺めてたら、不意にこっちを向いたので、バッチリ目が合った。
すると、そのまま立ち上がって小走りに近付いてきた。
『森田さん。』
『はい…?』
『あの、どうしたら森田さんみたいになれるかなぁ?』
『はぁ!?』
突拍子もない質問に思わず声が裏返ってしまった。
『私、森田さんみたいにかっこよくなりたいの!どうしたらなれるかなぁ!?』
すごく必死で訴えるその姿がなんだかかわいくて、ついつい笑ってしまった。
『あははっ!大嶋さんだよね?おもしろいね。』
『えっ…名前…知ってるの?』
『だって、クラスメイトじゃん。知ってるよ!』
『そ、そうだよね…。でも、森田さんが私なんか知ってるわけないと思ってたから…嬉しい!』
そう言いながら、ふわっと笑った顔は、お人形みたいに可愛らしかった。