真琴と『ぼく』の恋愛日記


『萌香、先に食堂行って席取っててくれない?』


『えっ?…あっうん!わかった!香川くん、じゃあまたね!』


『あぁ…うん!ばいばぁーい!』


萌香に手を振る姿は前と変わらない。


『香川くんちょっと借りるね。ちょっとこっち来て。』


香川くんと一緒にいた友達に断って、渡り廊下の端へ移動した。


『ど、どうしたの!?』


『どうしたの?は私のセリフよ。私が言った事まだ気にしてるなら、もう忘れて。』


『あの……言ってる意味がよくわからないんだけど。』


『だから!無理矢理【俺が】とか言ったり、制服着崩したり、髪型変えたり…そういうの香川くんらしくないじゃん。もし、私が男らしくなれって言った事気にして、そんな事してるなら…』


『違うよ!』


!?


突然大きな声をだしたので、私よりも周りにいた子達が一斉にこちらを向いた。


『ち、違うよ。僕、森田さんに言われて、こんな事してるんじゃないよ…。全部…自分の意志で、やってるんだもん……。』


今にも泣き出しそうな顔で、必死に否定している。


何でも、自分だけで相手の事を決めつけるのはよくない。

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