真琴と『ぼく』の恋愛日記
翼に引かれて行く千裕が、怪しげな表情で私を見てる。
『詳細は?』
勘のいい千裕に隠すのは絶対無理。
だけど、今説明するのは面倒くさい。
『のちほど!じゃあ、よろしく。』
そして、食堂を出て屋上に向かった。
部室の扉と同じ、重い鉄のドアを開けると、真っ青な空が広がっていた。
『わぁーっ!気持ちいぃーっ!』
ぐーっと背伸びをすると、体内の毒がぜーんぶ抜ける気がした。
『森田さん!ごめんね、パン。ありがとう!』
『あっ、はい。何がいいかわからなかったから、好きなの選んで。でも、あんぱんはおいといて。』
誰もいない屋上はまさに貸し切り状態。
勢いよく寝転んで、また空を仰いだ。
横にちょこんと座ってメロンパンを頬張っている彼。
よく見ると、キレイな顔してる。
男のくせに肌が白くて…
男のくせにぱっちり二重で…
男のくせにまつげが長い…
本当に子供みたい。
無邪気な笑顔とか……
まさしく…小学生。