真琴と『ぼく』の恋愛日記
『で、どういうワケでそんな風になっちゃったの?』
『えっ!?…ど、どういう事!?』
『ちゃんと自分の考えがあって、そんな風になったんでしょ?』
『うん…。』
『その、香川くんなりの考えを聞かせてよ。私の一言でだけじゃないってさっき言ってたけど、私がきっかけの1つになったには違いないと思うの。』
『あ、あの…森田さん。』
『ん?』
あんぱんを食べながら優しい笑顔を向ける彼女は、本当に眩しくて、目を合わせる事ができなかった。
『いや…実は……特に何も考えてないんだ…。』
『えっ?』
『で、でも!僕ね…小さい頃から…ずっと……いじめられてきたんだ!』
正直、好きな人に自分がいじめられてたなんて、知られたくなかった。
でも、彼女には不思議と打ち明けられた。
僕の話を聞いて、笑ったり軽蔑したりするような人じゃないと思ったから…。
『うん、それで?』
真剣な眼差しで僕の話を、時々相槌を打ちながら、聞いてくれた。
そして、最後にこう言った。
『そっか…。ホント嫌な事する人いるよね。私、あまり他人に興味ないんだけど、そういうの1番嫌いなの。でも、周りの目とか気にする事ないよ。香川くんは、香川くんらしくいればいいんじゃん?』