snow story
自宅から車で3分。

待ち合わせ場所は、シンの実家の近く。



私の家からシンの実家は何気に近い。



建物の段のところに

キャップをかぶって俯いている男の子がいた。




【シン?】

近くまで言って名前を読んでみた。

その男の子は顔をあげて私を見た。


【うん。】

そう答えた彼は、お酒を飲んで少し酔っぱらった顔をしていた。




シンを助手席に乗せて車を走らせた。

【何処行く?】

そう言った私に

少し不満そうな口調でシンは答えた。

【マコちゃんの家】


初対面で家はマズイでしょ。

【家以外は?】



【マコちゃんの家に行きたい。】

シンはそれしか言わなかった。


流石にマズイと思って

家と反対方向に車を走らせた。


【マコちゃんの家でまったりしたい】


方向が違うことに気付いたシンは

再度そう言った。




家なんて言ってたら・・・

若い男の子の考えることなんて

ひとつしかない。







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