スカーレットブルー

「もう、わたし……」

「はいはい走る走る! ドラゴンはすぐ後ろにいるわよー」


緑の長髪を揺らす少女の肩に乗っている朱と銀の毛色を持つ小動物が、しきりなしに飛び跳ねる。

体力が著しくない少女の肩に何故乗っているの? なんて聞いてる暇はないが、『ギャオォォォゥッ!!』なんて雄叫びをあげられた日には泣きたくなる。


なんで私がこんなことになったのか。
記憶はかなり昔のため、曖昧かも知れないが説明しなければならない。


まぁ、要約すると全部。ぜーんぶあのクソジジイが悪いことは、世界がひっくり返っても間違いない!


私は静かに、全速疾走しながら思い出した。もう死ぬかも知れないし、思い出したくないけど……。




(確か、クソジジイに呼ばれてから、この旅って始まったんだよね……)





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