スカーレットブルー
『絶対命令』
「王国騎士団隊長スカーレット=ノヴァ、ただいま参りました」
金色に赤と青で装飾された鮮やかな王座の間に、一人の女性がやって来た。
端正な顔立ち……と言えば、少し間違っているが、彼女の顔は凛々しくも、美青年に間違えられてもおかしくない顔立ちだった。
騎士団専用の、金の刺繍が入れられた青をベースにしたケープマント。
その下には、青に相反する赤をベースにした、少し変わった止め方をする服に、黒いラインが入れられたスラックス。
その赤と青で見分けられるのは、彼女がこの王国騎士団の中でも、五番隊隊長ということを示している。
「うむ」
礼儀正しく王に跪いていたスカーレットに対し、王は軽く頷いて、手に持っていた資料の束を大臣に手渡す。
「そう堅くなるでない。顔を上げよ」
「ハッ」
王の言葉に力強く返事をしてスカーレットは、静かに顔を上げて王を見据えた。
《サンバライト王国》の王を若くして継ぎ、今や世界の第二王国と呼ばれる程に成長させた王──。
その威厳ある王が、ゆっくり身体を前に乗り出して口を開いた。
「ここに呼ばれた理由を、既に聞いてはいるかの?」
「いえ、何も」
王の問いに、スカーレットは素っ気なく答える。
金色に赤と青で装飾された鮮やかな王座の間に、一人の女性がやって来た。
端正な顔立ち……と言えば、少し間違っているが、彼女の顔は凛々しくも、美青年に間違えられてもおかしくない顔立ちだった。
騎士団専用の、金の刺繍が入れられた青をベースにしたケープマント。
その下には、青に相反する赤をベースにした、少し変わった止め方をする服に、黒いラインが入れられたスラックス。
その赤と青で見分けられるのは、彼女がこの王国騎士団の中でも、五番隊隊長ということを示している。
「うむ」
礼儀正しく王に跪いていたスカーレットに対し、王は軽く頷いて、手に持っていた資料の束を大臣に手渡す。
「そう堅くなるでない。顔を上げよ」
「ハッ」
王の言葉に力強く返事をしてスカーレットは、静かに顔を上げて王を見据えた。
《サンバライト王国》の王を若くして継ぎ、今や世界の第二王国と呼ばれる程に成長させた王──。
その威厳ある王が、ゆっくり身体を前に乗り出して口を開いた。
「ここに呼ばれた理由を、既に聞いてはいるかの?」
「いえ、何も」
王の問いに、スカーレットは素っ気なく答える。