スカーレットブルー
その答えに納得した王は、静かに大臣たちに目配せすると、スカーレットは紅い髪を揺らして首を傾げた。
「ホレ! 早く下がらんか!」
「も、申し訳ありません」
大臣に急かされた護衛兵たち、次々と慌てふためきながら王座の間から姿を消した。
それに続いて、深々と一礼をした大臣もでっぷりしたお腹を揺らして後を追う。
「ふむ……さて」
威厳ある王の証とも言える王冠を頭からとり、白髭を撫でながら、王はスカーレットを眺めた。
「どうじゃ? 最近忙しそうに見えるが」
「まぁ……。おかげさまで、隊長を任されてからは気楽に任務が出来なくなりました」
突然口調を変える王の問いに、スカーレットは面倒そうに立ち上がって溜め息をついた。
「んー、その堅苦しい敬語を止めんか? わしらは親子じゃろう?」
「好き好んでアンタの子供になった訳じゃないけどね」
淋しそうに目を細める王の言葉に、スカーレットは舌を打ちながら肩をすくめ、王を睨みあげた。
その瞬間、王の身体が小さく縮こまる。
「ま、まだあの事を恨んでおるのか? あ、あれは仕方の無いことだったのじゃ」
「仕方ないねぇ……。アンタのせいでどれだけ貧乏したかわかってるの?」
「ぐぬぅ……」