華は儚し


「桐里いるのか!?」

と問えば、

物置で意思表示をしているらしく、

確実になかには人がいるのだ。


しかし物置は鍵がかけられており、

助けられないのか…?


人間が桐里であれば、

彼女が命を尽きてしまえうとするなら

俺はここに残りたい。


だが、桐里には幸せになってほしいのだ。


簪を鍵穴に挿しこみ、

幾度とねじ込んで、

そして開く音がしたのだ。


火は容赦はしない。


俺の帰りの戸をふさいでしまう。
< 106 / 221 >

この作品をシェア

pagetop