華は儚し
引きずられるように
桐里が連れて行かれそうで、
俺も捕まるべきだとは知ろうとしたら、
「そこの色男さん…、
あんたの女かい?」
「はい」
「なら、
ここを穏便に済まして、
あとから迎えに来ればいい」
「…そうですか…」
50ほどの年女は助言をしてくれたのだ。
まさか、
江戸きてすぐに捕まるなどあるものか…。
「…それにしても
今時に優しい娘がいるものかねえ」
「桐里は…華だ。
あの娘はある方の御嬢さん、
早いうちに迎えに行かなくてはならない。
どうすれば罪をのがれられるか?」
「そうだね、もう盾突くのをやめられれば…」