華は儚し


―――



何だか、

連れてこられたところは懐かしい気分に

晒されたのでした。


「…私を助けてくれようとしたのに、

すみません…」

「気にしないでください…」


その女性は目を赤くしているけれど、

綺麗な女性だと思いました。


「…なぜ、顔をお隠しになさるのですか?」


牢で涙を流しなさる彼女に

頭の布巾を外して涙をふかせることにしたのです。


「っ!!」
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