華は儚し

私を試していた宗十郎様が

今度は赤くなっている顔を隠さず、

抱きしめてくれたのです。


「禁じられている関係になりたくない」


「私と宗十郎様が禁じられるのですか?」


「私は役者、

桐里が大奥に入れでもすれば…」

「大奥…?ってなんですか」


「…関係ない」


お前にはまだ早い、

宗十郎様はそればっかり。

自分もそう思っていましたし、

それでいいと思いました。


「美しすぎるお前をどんな輩だろうと

目に入れさせたくはないのだ。

私の我儘を許してくれ」


「…そこまで思ってくださっていたなんて」


「惚れさせておいて今さら、言うことか。

この唇も、乳も、宮も、そしてお前の心も

すべて私のものだ」


指先まで快楽は続き、

寝させないようにと舌は絡み合ったのです。


「明日からは…桐里と離れる時間が出来てしまう。

心苦しすぎて、死んでしまいそうだ」


「どうして、

私と貴方様の心が同じなのでしょうか…」


夜通し愛し合う日々はいつまで…?
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