華は儚し

「桐里さんのお屋敷まで案内します」

「商人の娘なのか…?

しかし桐里は遊女であったと」


「詳しくは知りませんが、

昨日後を追ってみたところ、

大きなお屋敷に入っていきました。

それも、たくさんの従者がおりまして」


「…そうか」


嘘をついているとでも言うのか。

桐里という娘が偽っているようにはおもえぬ。


「…桐里」


「桐里さんには…、想い人がいらっしゃいます。

それもとても美男で…

ですが、役者でした」


「!!」
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