華は儚し

美麗な白梅の着物で

困惑しながらでいる姿に目を奪われてしまう、

世は桐里が好きだ。


「…隠れましょう。

でないと、あの人に怒られてしまいますから」


あの人とは、役者のことか。


人目がつかないところの

更に奥にいったところで桐里は、


「私も吉宗様に会いたいと思っておりました」


笑顔を見せてくれる。


なんと、可愛らしい。


「桐島…というのか?」


「桐島というの私のお父様の苗字、

桐島染五郎です」


「だが桐里は遊女であったと」
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