華は儚し

―――



「新参者の女だそうだ」

「綺麗な娘だこと。

さぞ、吉宗様に気に入られているのだな」


来たばかりの場所には、

色とりどりの着物を着なさる女性が

たくさんいらっしゃり、

女中の中にも位という

身分に添えられたものもあるそうです。


簡単に言うと、

遊女花魁でいう位を順で言うなら太夫、

格子、散茶、座敷持、呼出しとなるように、


より複雑で役職まみれ…でした。


「見れば見るほど…

おぬし、どこの生まれじゃ」

「加賀の生まれでございます」


「何故、おぬしのような女なら」

と着物の中に手を入れられて、

その女性たちが高らかに笑っていました。
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