華は儚し

「本当に、桐島は子供だ」


「絵島様…すみません、

迷惑ですよね。

…ありがとうございます、楽しかったです」


それを返そうとしたら、

絵島様の綺麗な腕が邪魔をしました。


「いいや、買うてやろう。

大奥の祝いと思ってもらえ」


そしてこれは、万華鏡というらしい。


どれだけ長く見ていたのか

私は分かりませんでしたが、

それはとても…

今までの宗十郎様との思い出のようで、


どれも美しい思い出でした。


けれど、それは過去の話。



「…そなたは可愛すぎだ」
< 163 / 221 >

この作品をシェア

pagetop