華は儚し


―――



何もかもを受け入れたように

桐里は為すがまま唇が奪われていく。


だが、やはり桐里は嘘をつけない。


「私は全部、

宗十郎様の物です」


「それがどうした」


人気がないことを確かめ、

桐里を地面に押して着物を肌蹴させる。


うぶな反応で

余計に愛おしく思わせられ、


「…桐里が好きだ。

遊女だろうと、

大奥の側室に成ろうとお前が好きだ」


宗十郎を呼び続けても俺は女を抱いた。
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