華は儚し

白の薄い着物に腕を通して、

絵島様に従いました。


「いい子だ。私についてこい」


二人の男性に背中を押されながらの移動で、

拒められない運命を

受け入れなくてはと覚悟しました。


でも歩くことが出来なくて、

廊下の上で涙と声がかれるまで嘆き、

詰草と宗十郎様の髪を胸に抱きました。


絵島様に抱擁され、

私をあやすように撫でたのでした。


「よく来た」


「お待たせしました、吉宗様」

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