華は儚し
第十四華

―――



花魁で育ったということで

私は大奥の一員という目覚ましい身分にはなれないので、

昨日と同じ牢屋の中で生活をしていました。


あくまでも側室、

けれども子は作ってはいけません。


絵島様は優しいので

そんなことは言いませんでしたが、

天英院様の命令により

花魁はけがらわしいと言ったそうです。


存在を公にしてはいけませんから。



「……宗十郎様…」


たった一日でも、

それはとても長時を過ごしているようです。
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