華は儚し

女性のような好かれるでしょう

凛々しい顔立ちの田沼様なだけ、

冷笑されると背筋が凍ってしまいました。


「役者の男か」

「私はお外に出たくて、」


「空しいものよ。

男のためにつくす女など、散るだけだ。

…時期に桐里は死ぬ、

母親と同じ運命をたどるだろう」


刹那時、

ただ走って逃げたのでした。

牢屋に戻れると力はもう残っておらず、

項垂れてしまうように傾れました。


「…宗十郎様…」

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