華は儚し

「…貴方様を思っていると

体が熱くなることはなんでしょうか?」


と、ぶしつけな質問をしたつもりはないのですが、


彼の頬は紅を塗られたみたく、赤く染まっていらして、


「無意識の太夫か…」



「…?」


突然宗十郎様に包まれて、

聞こえた心音が早く脈打ち、焦っているようで、


風邪でも引いていらして…、



など思っていなくてはいけないはずなのに、



「…どうして笑っている」

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