華は儚し

―――



休憩からまた演技、

そして休憩から夜の街へと足を運ばせた。


赤い灯篭が街道の両端に並び、


郭の中の女たちは、男が喜びそうな格好で客を呼び寄せている。


大したことないと頭の中によぎり、


ふらふら道草するうえで、客と思われた男が、


「あそこの葵屋の太夫の女は、

代官ですら合わせてくれないそうだ」


「あーあれだ、口だけの太夫ってこと。

金を搾り取らせてってやつ」




俺も考えていたことを言われる。



「よく、おいでくださった」


「いえ、秋良さんの誘いに来ただけです」


< 7 / 221 >

この作品をシェア

pagetop