イケナイ狼君の××。
*+。゚・第1章・゚。+*
何なのこの人!?
ひかりside
―-チュンチュン
「ん…」
窓から眩しい光と鳥の鳴き声ってことは…
もう朝なのね…
「はぁ…」
来て欲しくない朝が来てしまった。
私にとってはとくに今日が。
一段と今日は嫌な夢見たなぁ…
なんか嫌なことでも起きるのかな…
朝から憂鬱になりながらも、むくりとベットから出た。
「ひかりー!
起きてっかー!」
バンッとドアを開けて私の部屋に入って来た雅哉。
私の二番目の兄、23歳。
一番兄の中で話しをするけど、デリカシーないし、遊び人だし女好き。
だけどすごく私を大事にしてくれる…
なんだかんだ言って大好きな兄。
「相変わらず寝坊グセ直んねなーひかりは」
「ごめんなさぁい…」
眠たい目を擦って、よろよろとリビングに向かうと、みんな集合していた。
「おはよー!ひかり!」
「おはよう陸」
陸は私の三番目の兄、20歳。
大学に通ってるけど、毎日朝ご飯、昼のお弁当、晩ご飯を作ってくれる。
家事もこなしてくれて、すごく頼りになる優しい兄。
「今日のメニューはー?」
「今日はね、ひかりと僕は新学期だから
ひかりの大好きなオムライス!」
「やったー!」
相変わらず美味しそうだなぁ陸が作る料理は!
あ、間違った
美味しいんだった!
「早く食べねぇと遅れるぞひかり」
「はぁーい」
ソファーでコーヒーを飲みながら座っている一番上の兄雪斗、25歳。
大手企業に勤めていて、すごく頭もいいけど…
口悪いし、元ヤク…黙っておこう。
私の家は両親がいないから、雪斗と雅哉で生計を立てている。
だからあまり迷惑はかけられない。
「ふぁ…ねみー」
「雅哉…また朝帰りか?」
「しゃあねぇじゃん!ホストだぜ俺」
「もう23なんだからしっかりしろよ」
「はいはい、わーってるよ兄ちゃん」
朝はいつも雪斗の説教から始まる。
まぁしかたないんだけどw
「あ!ひかり、もう時間だよ!」
「やばっ!」
あっという間に時間が過ぎていた。
私は急いで支度して玄関を出た。
…のはいんだけど。
「やっぱり憂鬱…」
私は今日から高校2年生。
だけど中学から高校1年まで全然いいことなんてない。
中学の頃からひどいイジメにあい続け、高校もその延長戦。
だから今年だってきっとそう。
でも不登校になるわけにもいかないし、兄達に迷惑をかけるわけにもいかない。
そんな私を支えてくれたのは…
「今日も綺麗だね、海蔵…」
いつも学校の通学路で通る海沿いの道。
その海を私は勝手に海蔵と呼んでいる。
すごくネーミングセンスが無いのは追求しないでね?w
いつもここを通るたびに頑張ろうと思えてきた私。
でもやっぱり憂鬱なのに変わりはない。
「学校なんて行きたくない…」
私がイジメられる原因は私にあった。
目立つと色々言われると思って、おさげに伊達メガネまでして私は中学も高校も暮らしていた。
それが逆に地味過ぎて、地味子と呼ばれてからかわれたのが最初。
そこからいろんなイジメにあって今に至る。
今更おさげにメガネもやめられないし…
でも元からこんなんじゃないし私…
どうすればいんだろおおおお!!
自問自答を繰り返しながら歩く海沿いの道は、眩しいほどキラキラしていた。
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