イケナイ狼君の××。

仁side


ピリリリリ


ひかりと別れた後、オレの携帯が鳴った。
だいたい誰がかけてきてるか予想できる。
パッとディスプレイを見ると、やっぱり予想通りだった。


「もしもし」

『俺だけどー!』

「鹿男だろ、なんだよ?」


電話の相手は中学からの俺の右腕兼相棒兼親友の鹿男。

鹿男って変な名前だよなー!
そんなこと本人に言ったら殺されるけどな!
オレ殺されかけたし!

鹿男は自分の名前にコンプレックスを持っていて、みんなにはバンビと呼ばせている。
オレはなんとか名前で呼ばせてもらっていた。


『ひかりちゃんとどうなったの?』

「どうもこうも…生徒会に来るぜ、明日から」

『へー!さっすが生徒会長!』

「お前もさすが副会長なだけあって情報集めてくれてサンキュな」

『いえいえこちらこそ』


コイツは頭がすごくきれるヤツだ。
頭良すぎて腹立つくらい。
よく中学の時はトップ争いをしてた。


『しかし、あの地味なひかりちゃんをねー』

「アイツは地味じゃねーよ…多分」

『ハハハ!何その変な自信!』

「うるせー!」


でもアイツはイジメが原因で地味にしてるはずだ…
多分いつもは違うと思う。
オレの勝手な想像だけどな。


『あんなに女の子に興味なかったのにさー仁は』

「お前が逆に女に寄り付かれすぎるんだっつーの」

『またまたー!
生徒会長もすごく人気みたいですよっ♪』

「いらねー情報どうもありがとな!」


バカ話をしているとすぐ時間が過ぎる…
まったくコイツは。


「んで?
わかったのか」

『おっと忘れてた!ごめんごめん』

「忘れんな!本題だろーが!」

『えっとさー、2年A組のやつ3人、2年D組のやつ5人と、2年…』

「ちょ、ちょっと待て鹿男…
多くねーか?」

『俺も正直びっくりしてる。
ひかりちゃん可哀想に…』


ひかり…オレが遅れたばっかりに…


『…言っとくけど、仁のせいじゃないよ?』

「知ってるけどよ…でも半分以上はオレのせいでもあんだろ」


あんなことしなかったらひかりは…
イヤ、でも変わってなかったかもしれない。


『とりあえずこっからっしょ!』

「まーな!
オレ様の本領発揮どころって感じだな!」

『ハハハ!さっすが仁!』


これからお前を変えていってやるよひかり。
そのためにお前をオレのしもべにしたんだ。
逃がさねーからな!



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