イケナイ狼君の××。

生徒会の皆。


ひかりside


次の日の朝。
今日の朝は珍しく雅哉が起こしに来る前にパッと起きた。

昨日のことが頭から離れない…

新学期早々に現実離れした出来事。
何度考えてみても結論は出ない。

もういいや…とりあえずご飯食べに行こう。

私はベットから出て部屋から出た。
その時、


「ひ、ひかり!?」


ちょうど同時に部屋から出て来た雅哉と鉢合わせた。
少し雅哉は驚いている様子だった。


「どうかした?」

「あ、いや…別に」


ん…?
あぁ、私が早く起きたのにびっくりしてるのか!


「あ、そういえば雅哉」

「ん?」

「なんでいつも朝帰りなのに私のことは眠たくても起こすの?」

「え?」


ボサボサの髪を掻きむしりながら難しい顔をする雅哉。

え…私なんか変なこと言ったかな?


「そりゃあ…ひかりが寝坊しないためにお兄ちゃんがなぁ…」

「別に雅哉じゃなくても陸に起こしに来てもらえるよ?」

「う…それは…」


言葉に詰まっている雅哉。
なかなか見れない光景。


「と、とにかく!
早く起きたんならさっさと飯食いに行け!」

「はーい」


いい具合にはぐらかされた気が…まぁいいや。

雅哉に言われた通り、私は1階へ降りてリビングに向かった。


「おはようひかりー!」

「おはよう陸!」


リビングは相変わらずいい匂いがした。


「今日は何ー?」

「今日はねぇ、鯖の味噌煮だよ!」

「わぁ!美味しそうー!」


相変わらず3食豪華な陸の料理。
でもすごく幸せな気分になるから大好き。


「珍しく早起きだな、ひかり」

「偉い?」


相変わらずソファーでコーヒーを飲みながら新聞を読む雪斗。

ほんと日に日にお父さんに見えてくる…


「おう、偉い偉い。
この調子で遅刻しないよにしろよ」

「はーい、分かってます!」


ダメだ…お父さんにしか見えない…

少し笑って、陸が作ったご飯を幸せいっぱいに食べた。


「それじゃあ行ってきまーす!」

「いってらっしゃい!」

「気をつけて行けよ」


相変わらず雅哉の姿は無し。
まぁでも仕方ないか!

そう思って玄関を出た。
















いつもの海沿いの道を歩く。


「海蔵は今日も眩しいねぇ」


いつものようにキラキラしている海蔵を眺めながら、今日はゆったり通学路を歩く。

早くに家出るのもいいかも…

私の通る道はほとんど同じ高校の人は通らない。
他校生の人もなかなか通らない。
だから昔から私だけの道みたいで、すごく居心地がよかった。


「今日はどうすればいいんだろう」


ふと昨日のことを思い出す。
今思い出してみても夢のよう。

生徒会があるのはもちろん知ってるけど、どこにあるのか謎なんだよね…
まぁでも、学校に行けば分かるよね。

俯き考えながら歩いていると、


ドンッ


「いたっ!」


誰もいるはずがない道で誰かとぶつかってしまった。

昨日といい今日といい…
どんだけ私人とぶつかるの!


「前見て歩けアホ」

「へっ…」


この声…聞き覚えが…!
ま、まさか!

ふと顔を上げるとそこには…


「仁!?」


なんで仁がここにいるの!?


「何ビックリしてんだよ」


い、いや!そりゃあびっくりしますとも!
だってここら辺では誰とも合わないし!
それに時間帯的にも!


「今日は早いんだなー!」

「な、なんで仁がここにいるの?」

「あ?いちゃワリーのかよ」


いやいやいや…悪いとか悪くないとかじゃなくて…
あーもう!
もういいや!


「それじゃあ先行くね…」

「おいおい、オレのこと無視かよ!?」

「えっ!?」


仁は止めるように私の腕を掴んだ。


「お前分かれよアホ!」

「なっ、何を?」


アホアホ連発しないでよバカ!


「お前のこと待ってたに決まってんだろ!」

「えぇ!?」


待ってたの!?
こんなに学校から遠いのに…


「何時から待ってくれてたの?」

「…30分前から」


30分ってことは…7時から!?


「は、早いね…」

「うるせーな!
お前の連絡先知らねーからしゃーねーだろ!」



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