そして、また
なぜなのか聞いてもいつもわからないと答える涙。
幼馴染のあたしでさえ涙の事を完璧に知ってる訳じゃない。
涙は謎に包まれた女だ。
お昼、涙とご飯を食べている時に聞いた。
「涙、あんたなんで毎日あんな無口野郎にあいさつしてるの⁇」
無口野郎とはもちろん山口の事だ。
「なんで無口野郎なの。ちゃんと名前があるんだから。それから、なぜかなんてそんなのわからないわよ。」
ゆっくりと話す涙はやっぱり綺麗。
それより、わからない、これはいつも聞かされる言葉。これだから涙は謎なのだ。
そして帰り、あたしは驚いた。