30㎝




下へ降りた。



いつも通り敬太先輩は、楽しそうに友達とバスケットをしていた。



昨日のことが夢のようで嬉しくて仕方なかった。




でも、顔を合わせるには
恥ずかしすぎて…思わず廊下の柱に隠れた。




「まなやばい!やっぱ無理!」


「今更何言ってんのー!ほらー!」




まなに無理矢理腕を引っ張られた。



勢いで飛び出したけど、敬太先輩は私たちに全く気づいていないようだった。




ワックスでいじられた髪の毛


ズボンからはみ出たカッターシャツ


赤いラインの入ったシューズ


首にかけられた緑色のタオル



今は全てにドキドキする。



そして

あの優しい笑顔





キュンッ



思わず自分の心臓に手をあてた。



胸が苦しいよ。



好き過ぎてやばいよ…







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