30㎝
第二章〔夏休み〕

距離







今日から夏休み



とても複雑な気分だった。






敬太先輩に…

会えなくなる……




初めて夏休みなんていらないって思った。




終業式に配られた夏休みのしおりには、各クラブの予定練習時刻が書かれていた。


夏は暑いから、少しでも涼しいうちに練習を終わらせようという顧問の渋谷先生の気遣いで、陸上部はほとんどが午前練習。



だいたい10時までには練習を終える予定だった。




バスケ部は、他のクラブと体育館を分けて使わないといけないので、練習時間はバラバラ。





少しでも会いたくて、時間が重なる日をチェックした。


結局会えると言っても、7回ほどだった。





敬太先輩とのメールのやりとりは順調に続いていた。



゙杉本この前ちゃんと話せてたな!がんばったと思うよ☆゙



この前逃げてしまったことを謝罪したメールに、先輩は逆に褒めて返してきてくれた。



敬太先輩には、私がかなりの恥ずかしがり屋であることを事前に知らせておいたから良かった…!








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