田中のくせに!!
「…ふーん、なるほどねぇ」
あたしの話を最後まで聞き終えた岩槻くんは、優しい笑みをたたえたまま一つ頷くと
「つまり、周防は田中のことが好きってことだね♡」
「っは!?」
あまりに岩槻くんが、ざっくばらんなまとめ方をするものだから
思わず喉の奥から変な声が出た。
「そそそそ、そんなこと言ったっけ!?」
「言ってるようなものでしょ」
にこやかに微笑んだまま、その長い足を組む岩槻くん。
「だってそうじゃなきゃ、田中に俺のこと薦められた?くらいで、
周防、怒ったりしないでしょ」
「…うーん…どうだろ…」
なんて濁してしまうあたしは
…やっぱりどこかで…
認める勇気が、ない。