田中のくせに!!




それから、修学旅行実行委員長より集合がかかって。



各クラス出欠確認をした後、結団式。



そしていよいよバスに乗り込んだ。





バス席は自由。



あたしは、一足先に乗り込んでいた小夏の隣に座った。



すると、その一つ前の席に座っていた友梨が




「田中ー!こっちあいてるよー!」



なぜか田中を呼ぶ!!




「ちょっ友梨!?」



「いーじゃん、別に。どーせもう空いてる席ほとんどないし♪」



キャピキャピした口調でそんなことを言う友梨。



「だっ、だからって…」



何であたしの逆隣っ…




「おー」




一人焦るあたしの気持ちなど露知らず、田中が呑気な面持ちでやって来た。




そしてドカッと、あたしの通路をはさんで隣の席に腰を下ろす。




「ちょっ、た、田中ここに座るの!?」



「…そうだけど?なんか不満?」



「べっべ、別に、そーいうワケじゃないけどー…!!」



田中は噛みまくりのあたしに、首をかしげた。



「おまえ、修学旅行で興奮してんのは分かるけど、落ち着け?」



「興奮してないしっ!!」




誰が田中で興奮なんて…!!!





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