田中のくせに!!
写真撮影が終わった後は、また皆で歩いてバスに戻る。
バスに戻ったら、今日はこのままホテルに直行。
「夕ご飯は何かなー♪」
なんてウキウキしていると
「呑気だなー、まどかは」
隣を歩いていた友梨から、呆れた視線が飛んできた。
「な、何が?」
「この修旅中に田中にアタックするって、わかってる?」
近くにいる田中をチラチラ見ながら、声を落とす友梨。
「……わ、わかってるけどさぁ……」
アタックって言ったって、具体的にどうすれば…
その時、
「きゃっ…」
前を歩いていた女の子が、石に躓いてよろけた。
危ないっ…
慌ててあたしが手を伸ばすより、早く
グイッ
「…大丈夫?」
「…あ、うん、ありがと…田中」
力強くその子の腕を引っ張り、支えた田中。
「気をつけろよ?この辺道ゴツゴツしてるし」
「うん、ごめんね」
なんて言う女の子の頬がちょっと赤いのは…
気のせい…だよね?