田中のくせに!!
さっきお風呂に入ったばかりの(6人もいるから時間かかった)瑠美が髪の毛をタオルでこすりながら、今度はそんな質問をした。
「えー?誰だろう?」
考えてみるけど、うーん…
まったく思いつかない。
「うーん、まぁ、アメあたりじゃない?」
成実が新しいポテトの袋をバリッと開ける。
アメっていうのはあだ名で、雨宮孝太郎くんのこと。
「アイツちっさくてカワイイし、ま、付き合ってもいかなー♡」
それから何人かの男子の名前があがった後
「あたしは、田中がギリギリかな~」
クラスでもかなり可愛い方の愛理が、のんびりした口調でそう言った。
「え…マジ!?!?」
それに思いっきり反応してしまうのは、もちろんあたし。
「うん。まぁ、田中イケメンでもないけど、ブサイクってわけでもないし。
普通に話せるし。いいんじゃない?」
「田中くん優しいしねー」
すると、家庭的で一部の男子からモテモテの美弥子まで、そんなことを言い出す。
「こないだもあたしが部活で使う食材持ってたら、手伝ってくれて」
「あー、なにげ気がきくよね、アイツ!」
佳奈もガハハと笑う。
う…うそ。
田中、何気に…
モテてる!?