田中のくせに!!




「イメージ違うね。
すごくいいよ」



竹野くんも微笑んで、そんな嬉しいことを言ってくれる。




「でっしょー?
朝からがんばったんだから!ねぇ小夏!」



「まーねー」




友梨と小夏が胸を張る。




不意に岩槻くんがあたしの耳元に顔を近づけて、言った。




「…これは、田中のため?」




瞬間、顔がボッと熱をもったのが分かった。




「そんなこと…!」




…あるけど……




一人だけ何も言おうとしない田中をチラリと見ると




……なぜか眉間に皺を寄せ、不機嫌そうにあたしを見ていた。




「…たな…」


「行こーぜ」




そして岩槻くんの腕を引っ張り、スタスタと歩いて行ってしまう。




…た、田中!?






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